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LED導入インタビュー:
「光」に焦点を当てたアート×LEDビジョン
- 公開日:2024.12.12
- 更新日:2024.12.19
- インタビュー
Yoshirotten x LED TOKYO株式会社
2024年10月8日(火)~2024年12月8日(日)に鹿児島県霧島アートの森で開かれた個展「FUTURE NATURE Ⅱ in Kagoshima」。大型のLEDビジョンを利用した新しい表現と作品の数々でYoshirotten氏が来場者に伝えたいこととは、、、?
この記事の目次
Yoshirotten氏と今回の個展について
ー改めまして、インタビューにご協力くださりありがとうございます。
Yoshirotten氏は、本展を通して、LEDディスプレイを通して、感性や創造性に迫っていく可能性を見せてくれたと思います。そういうことを意識しつつ、色々お話しを聞ければと思います。
まずはYoshirottenさんが代表をされています「YAR」についてお聞きできたらと思います。
Yoshirottenーもともとグラフィックデザインの会社として24歳の時に設立したものが母体となるのですが、当時は一人でやっていたのをちょうど10年ほど前にしっかりとしたチーム体制で運営しようと思い、いまでは映像のディレクターや照明とか技術等のいろんなスタッフ、もちろんグラフィックデザイナーやアートディレクター含め、大体18人ほどで運営していて、平面から立体、空間演出などの視覚芸術が関わることであればほとんどやっています。
ーありがとうございます。あとは、Yoshirotten氏の簡単な自己紹介と過去の代表的な作品について触れたいんですけども、僕はサイトや作品紹介でいろいろ事前に拝見してはいるのですが、改めてYoshirotten様の口から今回の作品のテーマについてお聞きできればと思います。
左:Yoshirotten
右:LED TOKYO株式会社 エンターテインメント事業部長兼インタビュアー 増山祥太
Yoshirottenー僕はデザイン会社「YAR」をやりながらクライアントワークだけでなくアーティスト活動も同時にやっているんですけど、その中で大きな個展が何個かありまして、2018年に東雲のTOLOT heuristic SHINONOMEでやったのが、「FUTURE NATURE」今回の作品の前身となる個展ですね。平面、立体、映像、音楽をさまざまな形で発表しました。その後に、「SUN」っていう、コロナの時に365個の太陽をつくってさまざま形でアウトプットしていったプロジェクトがあって、LEDを国立競技場の大型車駐車場で使ったりしましたね。今回は初めての美術館個展なので、今回もLEDを使った表現だったりまだ自分も見たことのない作品にしたいなと思いました。
ーなるほど、ありがとうございます。
LED導入におけるイメージとその理由とは?
ー今回我々のLEDを導入して下さった訳ですが、そのLEDに関して色々とご質問させて頂ければと思います。もちろん、LEDビジョンというのは以前からご存じだったと思うのですが、LEDビジョンを設置する前のイメージはどうでしたか。
Yoshirottenーそうですね、LEDが最初にでてきた時からLEDは次のアートキャンバスになると思いました。しかも、光を出すかつ、どこまででも広げていけるという、いままでのキャンバスではできない表現や体験を新しい作品にもたらすと思いましたね。
ーなるほど、僕の主観になってしまうのですが、Yoshirottenさんはすごい光を大事にされているというか重きをおいているように感じますが何か理由というかベースにしているものがあったりするのですか。
Yoshirottenー作品のモチーフにしている1つに光があります。そして光を発するLEDというものは私自身とても親和性のあるものだと思っています。
ーまた似たような質問になってしまうかもしれないのですが、このYoshirottenさんの鹿児島での美術展でLEDを入れようと思った最大のきっかけって何でしょうか?
Yoshirottenーこの霧島アートの森の美術館自体が天井から自然光が入る環境のため、映像作品を見せるのはプロジェクターではなく、大きなLEDを置きたいと思いました。じゃあ大きなLEDってどんな大きなサイズがあるんだろうとなって、自分もすごい影響を受けたヴィクトル・ヴァザルリ(※1)っていうアーティストがいるんですけど、そのヴァザルリの作品が見れるヴァザルリ・ファンデーション(※2)にいったときにすごい大きいキャンバスアートがあって、このサイズ感で映像表現ができたらある意味、僕はこの美術の世界の新しい平面のアップデートができるんじゃないかなと思ったことをきっかけに増山さんに大きいパネルがほしいと相談しました。
ーありがとうございます。そうですね、最初壁付けしたいという話で、今回みたいに開口にLEDをはめるっていう、展示会とかではよくあるんですけど、でもこのくらいのサイズを壁に埋め込んだような形でやったのは初めてで、僕としてもやれてとてもよかったです。
Yoshirottenー新しい絵画の形と思うんじゃないしょうか。皆さんも。あまり映像を観ているという感覚にならないっていうのがまた新しいのではないかなと思ってもいます。
後ろの作品は、インタラクティブな作品なんですけど、これもただLEDを使っているんではなくて、アクリルを置くことでLEDの粒達っていう存在を消していて、砂にも埋もれているっていう状態もあまりみないではないかなと、あとこの会場の暗いときもあれば明るいときもある中で表情が変わるっていうのはLEDとしてはフレッシュなんじゃないかなと思います。
※1ヴィクトル・ヴァザルリは、オプ・アートと呼ばれる、錯視の知覚心理学的なメカニズムにもとづいた絵画作品の先駆者と言われ、独自の幾何学的抽象性を追求した美術作品を制作し続けた人物。
※2ヴァザルリファウンデイション/ヴァザルリ財団は、ハンガリー出身のアーティスト、ヴィクトル・ヴァザルリによって南フランスのエクス=アン=プロヴァンスに設立された。
今回の個展での課題と挑戦
ー何度かご一緒させてもらった打ち合わせなどでも、アクリルはアクリルでも様々な種類を当ててみて、試して、見え感や質感など色々検証されてましたね。
Yoshirottenーそうですね、小さい方は1.9mm、3面並んだ大きな方は3.9mmのLEDを利用していて、それでもできればLEDはピッチを細かくしたいですが、ドットが必要な作品でない限りドットはいらないわけですよ。そうなると、1.9mmのピッチだけど近くで見るとドットが見えてしまう。でもそのドットの必要性がないって時にカバーするためにアクリルを設置するしかない。そのときに発色とか絵のぼやけ具合がどのくらいになるか確認するためにいろんなアクリルを試しましたね。
ーなるほどですね。ありがとうございます。
ちなみにですが、今回導入検討段階で、懸念点なども少なからずあったかと思いますが、事前に不安な事や心配な事などはありましたか?
YoshirottenーLEDの開口のために新規で壁を作っているんですけど、美術館でこのサイズの壁自体を立てることができるのかというのが最初の不安でしたね。それができるとなって、LEDを前に出して、フレームも作って、壁にかかっているようにみせてるんですけど、そこまで実現できるのかどうかが、イメージはあったものの、当初は気になりましたね。
あとは、大きい3面の方は、ピッチが3.9mmで、小さい方の1.9mmと比べると荒いので、ドットの粒感が多少見えてしまう。1.9mmの方はサイズ的にアクリルで粒感やノイズを消すことができるけど、大きな方はサイズ的にも同じ方法が難しいので、ノイズにならないか気になりました。なので、何回もLED TOKYOさんのショールームにお伺いして、テストさせて頂きました。
LED TOKYO採用のきっかけと理由とは?
ーちょっと会社的なことになってしまうんですけど、LEDビジョンっていろんな会社があるんですけど、いまもちょっとづつ増えてきている中で、弊社を選んでいただいたのは何が決め手でしょうか?笑
Yoshirottenー柔軟性、相談のしやすさが一番ですね、これは増山さんのおかげだと思うんですけど、この限られた期間で、こんなサイズのLEDを用意したいってなった時に、すぐに対応いただけたのはすごく助かりました。今回の場合は一番ポイントとなったのは実験的なことにトライしてくれることですね。あとは自分が作りたいものを理解してくれているというところも大きいですね。LEDだけでなく、今回制作に関わってくれている人がその辺りを理解してくれていて、スムーズに制作することができました。
ーありがとうございます。何度かご依頼いただいて導入させていただいて、毎回、色んなインスタレーションや映像表現があって凄いなって思いますし、今回、LEDの下端にクリアランスが出てしまうところを、左右、上下同じようにクリアランスを設け、その間隔をいかに狭くできるかというところや見え感に、芸術的なこだわりをすごく感じましたね。
導入前は、色々テストや検証を行いましたが、自分のやりたい事が明確になったりなど、不安は解消されましたか?
Yoshirottenー結構すぐの段階で解消できたんですけど、輝度はそこまで明るく出してないじゃないですか。コントラストとかも下げてくださいとか、ちょっと彩度落ちますかとか、普段LEDは逆のことを言われると思うんですけど、それが自分のなかで腑に落ちたというか、まぶしいものって情報を与えるけど、心地よさを与えてくれるものではないから、それがバランスよくすればこういう美術館での作品にもなりえるって思いましたね。
ーそうですね。今回そこまで輝度を明るくしたり発光していないですもんね。なんかこう、このぐらいのバランスが凄く馴染んでるなって自分も思います。
Yoshirottenー多分パッと写真だけ見たら映像なのか分からないんじゃないですかね
ーそうですね、まさに光る絵画で美しいです。
LEDを設置しての反響は?
ーLEDビジョン込みの作られたこの世界観、関係各社様からの反響などはどうでしょうか?
Yoshirottenーそうですね、関係者やスタッフ共々、だいぶ「いいぞ」となっているので、ぜひ、増山さん自身で聞いてみてください。笑
ーはい、勇気を出して聞いてみます。笑 あと、今後もLEDビジョンを使用した、今回は個展だとは思うんですけど、イベントとかあらたな個展みたいなものとかは増やしていきたいとかはありますか。
Yoshirottenーそうですね、ありますね。やっぱり映像という表現にすることでキャッチする層が増えるし、子供たちが目の前でわちゃわちゃ喜んでくれるっていう、そういう世界をLEDと一緒に作れたらなと思います
ーいいですね!あと、個人的に気になったことなんですけど、この空間に入るエントランスの入口に、作品についての色々、観て感じる文字や表示があって、逆に中に入ったこの空間っていうのは一切作品についてなどの文字や表示、説明がないじゃないですか、そこもなんかこだわりがやはりあるんでしょうか?
Yoshirottenーそうですね、会場内は言語がない世界。だから説明されるものでもないし、もちろんハンドアウトを手に持って、見たい人はみればいいけど、感じることに言葉や文章とかはいらないかなというか、五感で感じてもらいたいといったところですかね。
今後のLEDビジョンやデジタルサイネージについて
ーありがとうございます。これは個人的にYoshirottenさんに聞きたいんですけど、LEDビジョンやデジタルサイネージの今後の需要ってどう思いますか?
最近だと3Dとか体験型のイマーシブとかインスタレーションやAIだったりとか、結構映像っていうのは色んなことに対して相性がいいとは思うんですが、その辺りなど、Yoshirottenさんはどのように感じ、どのように思っているのかお聞きしたいなと思いまして!
Yoshirottenービルの外壁が全てLEDになったら面白いと思います。それをなんかコマーシャルなことに使うんじゃなくて、美しい世界を作るってことで使うのがいいんじゃないかとおもいますね。例えば、景色作っちゃうとか。
ータイムズスクエアとか近未来の映画とかもそうですけど、スゴイ車が走っていいて、いろんなとこにデジタルが広がっている世界に近しい雰囲気になっていく感じですかね?
Yoshirottenーそうですね、都会はそうなっていく一方で、そうじゃないとこは心地よい空間をLED使っても作れるんじゃないかなと思います。これがほんとに砂漠にあってもいいじゃないですか。そういったものを作ってみたいですね。
ーLEDが砂漠に立っている、めちゃくちゃ斬新ですね。アリです!笑 今後、Yoshirottenさんの作品で使うとして、こういう風なLEDビジョンがあればいいなっていうことがあればお伺いしたいなと思います。会社でもしかしたら仕入れることができるかもしれませんし、開発して用意することもできるかもしれないので、ご意見を聞きたいなと思います。
Yoshirottenーやっぱり、ドットが見えてこない超高精細のLEDもしくはアクリルが常についた状態のあるものがあればいいですね。いまも組み合わせでどこまで分解していくかっていうことで苦労しているので、それで造形物を作りたいですね。
ー年々高精細の需要は高まってますもんね。そういった製品を自社開発するのもアリだと思ってます。では、最後にYoshirottenさんの今後の展開や野望などお聞かせください!
Yoshirottenー展開、野望、、、う~ん、もっともっといっぱい発表できて、多くの人に作品を通して伝えたいことが伝わればと思いますね
ーとても参考になりました。ありがとうございます。
今後も、作品を通じてご一緒し、我々も新たな事に挑戦していければと思ってますので、引き続きよろしくお願いします!
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