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LEDウォールとは?グリーンバックとの違い、撮影スタジオなどを紹介!
- 公開日:2024.12.25
- 更新日:2024.12.25
- LEDビジョンスタジオ
近年になってLEDウォールを用いた映像制作が飛躍的な進化を遂げました。グリーンバックと異なる強みを持ち、撮影スタジオでの導入が進んでいます。今回はLEDウォールの概要をはじめ、使用場所やグリーンバックとの違い、関係する映像技術、導入事例などを解説します。LEDウォールのある撮影スタジオもご紹介しているので、必要に応じて利用を検討してみてください。
この記事の目次
LEDウォールとは?
LEDウォールとは、LEDパネルを複数接続して巨大な壁のように構築したスクリーンです。LEDボリュームとも呼ばれています。
構成の仕方が製品によって違うのも特徴です。たとえば、アングルを広く狙えるよう、平面ではなく逆J字を描くような曲面で構成された製品があります。
LEDウォールは、高精細な背景画像を一瞬で表示できます。撮影現場でセットを作る必要がありません。廃棄ごみが出ない点も環境にやさしく合理的です。
場面をすぐに切り替えられるため、撮影もスムーズになります。画面自体が照明を兼ねているので、リアルタイムでの合成クオリティが高いことも利点です。
ピッチ数に関して日本では1.5mm台が主流になってきており、海外は2mm以上も使われる傾向にあるといわれています。ピッチ数が小さいと解像度は高まりますが、送出するマシンパワーが必要になってくるため、運用コストは高額になりやすいです。
LEDウォールの使用場所
LEDウォールの使用場所として注目されているのが撮影スタジオです。バーチャルプロダクション撮影スタジオ、LEDスタジオなどと呼ばれています。
バーチャルプロダクションは、背景映像と一緒に被写体を撮影して、現実とバーチャルをリアルタイムで自然に合成する映像制作の手法です。
あらかじめ用意した3DCGを背景としてLEDウォールに表示させ、実際のカメラを連動させることで実現します。カメラトラッキングシステムやリアルタイムエンジンなどを組み合わせて撮影をします。
東映は2022年10月に東京撮影所にバーチャルプロダクション部を設立して、バーチャルプロダクションの実証実験に取り組んでおり、東京撮影所No.11ステージを横30m×縦5mのLEDウォールを設置したLEDスタジオとしてリニューアルして運用開始すると発表していました。
このように世間ではすでに、LEDウォールの導入、LEDスタジオ、バーチャルプロダクション撮影スタジオの開設などが進み始めています。撮影の仕組みが大きく変わっていく流れが見られるようになりました。
参照:日本最大のLEDスタジオを新設し 2023年1月から実証実験を開始 東京撮影所にバーチャルプロダクション部を発足(東映)
LEDウォールとグリーンバックの違いは?
LEDウォールの概要や使用場所などをお伝えしました。
LEDウォールの利便性を知るには、グリーンバックとの違いを把握することも大切です。
引き続き、グリーンバックの概要をおさらいしたうえで、LEDウォールとの違いについて解説します。
グリーンバックの概要
グリーンバックとは、合成動画を撮影するために活用される緑色のスクリーンです。グリーンバックを背景に動画を撮影して、グリーンバックの背景を別の映像と合成します。
たとえば、特定の人物をグリーンバックの背景で撮影したとしましょう。
観光地の映像をグリーン部分に合成できます。明るさや輝度を調整して、各映像が自然な色合いになるようにすれば、まるで被写体が観光地にたたずむような映像を実現できます。
ただし、透過する物体の撮影には不向きです。
LEDウォールは撮影時に背景を表示できる
LEDウォールとグリーンバックの違いは、撮影時に背景が表示されているかいないかです。LEDウォールの場合は、そもそも背景を映した状態で画面前の被写体を撮影します。
その一方で、グリーンバックは単なる緑色のスクリーンであり、撮影時に背景を表示できません。被写体の演者は、スクリーンで背景を視覚的に確認できないため、演技の没入感が薄れる恐れもあります。
LEDウォールを背景として撮影する場合は、演者が場面を視覚的に確認できます。シーンに最適な演技を追求できるため、映像の完成度も高まりやすくなるでしょう。
LEDウォールの理解を深めるバーチャルプロダクションに関する映像技術
バーチャルプロダクションの実現にはLEDウォール以外にもさまざまな映像技術が活用されています。バーチャルプロダクションを支える映像技術を知ることで、LEDウォールについてもさらに理解が深まるでしょう。
続いては、バーチャルプロダクションを実現するための映像技術としてインカメラVFXやボリュメトリックキャプチャなどについて解説します。
インカメラVFX
LEDウォールを用いたバーチャルプロダクションの中核をなす映像技術がインカメラVFXです。
インカメラVFXとは、現実世界の被写体を撮影するカメラの位置情報に応じて仮想空間のカメラをリアルタイムに同期させ、バーチャルカメラが映すCG空間の背景と出演者を一緒に撮影できる映像技術です。
天井や側面からのLEDライティングやライブカメラトラッキング、リアルタイムCGレンダリングなどの技術と組み合わせて、撮影段階で実写とCGを合成できます。
カメラの位置や照明が変化してもリアルタイムで追従する仕組みとなっており、ロケに行っているのと同様なアングルが探れます。時間帯や太陽の方角も制御できるのが画期的です。
細やかな調整は必要となりますが、仮想空間の背景と現実世界の被写体が同じ世界に存在するように見せられます。
ボリュメトリックキャプチャ
ボリュメトリックキャプチャ(Volumetric Capture)は、実在の人物や場所を3次元デジタルデータに変換して高画質に再現する技術です。実世界の空間をまとめて撮り込んで、あとから自由に視点を動かして視聴できます。
ボリュメトリックキャプチャによるコンテンツ制作の流れは主に下記の通りです。
①被写体を高解像度のカメラで取り囲んで撮影
②被写体の3D形状を再構築する
③カメラ映像をマッピングする
スキャンした3Dデータは仮想空間で表示させられます。たとえば、スキャンした演者をLEDウォールにバーチャル演者として登場させて、リアルの演者と共演させることも可能です。
メタバースやARデバイス、ゲームなど、さまざまな用途で活用されます。
LEDウォールの撮影事例
近年、LEDウォールをベースに撮影が行われた事例も見受けられるようになりました。LEDウォールの使い道を詳しく知るために、具体的な撮影事例をご紹介します。
王様戦隊キングオージャー(東映)
王様戦隊キングオージャーは、2023年3月5日~2024年2月25日まで放映された特撮ドラマです。戦隊メンバー全員が王国の王様であり、仲間同士でも本心を明かさない政治劇も楽しめる作品となっています。
東映の特撮史上において初めて本格的なバーチャルプロダクション撮影に取り組んだ作品です。
キングオージャーでは、LEDウォールに映像やCGを表示させながら撮影が行われました。Unreal Engine(アンリアルエンジン)でCG空間を作ってLEDに描出しています。
CG空間内にはカメラがあり、現実のカメラを動かすとCG空間内のカメラも同時に動き、リアルタイムで描画される仕組みです。
LEDをすべてグリーンで表示してクロマキーでの撮影も行われたようです。
このようにLEDウォールの活用によって撮影表現の幅が広がっています。キングオージャーでの撮影は、今後のドラマが進化する可能性を示す事例となったのではないでしょうか。
LEDウォールを設置している撮影スタジオ
LEDウォールとバーチャルプロダクションについてよく理解できたのではないでしょうか。
すでに使用場所でもご紹介した通り、LEDウォールを設置している撮影スタジオが続々と登場しています。さまざまな撮影スタジオについて詳細を知りたくなった方もいるでしょう。
引き続き、LEDウォールを設置している撮影スタジオとして、LED TOKYO「YOKOHAMA STUDIO」、ヒビノビジュアル Div.「Hibino VFX Studio」、サイバーエージェント「LED STUDIO」をご紹介します。
LED TOKYO「YOKOHAMA STUDIO」
LED TOKYOが運営している「YOKOHAMA STUDIO」は、横浜駅直通「アソビル ASOBUILD」にある総合撮影スタジオです。
コの字を描くように垂直に立つ3面のLEDビジョンでLEDウォールを形成しています。正面のLEDビジョンは300インチです。床面にもLEDビジョンが導入されており、LEDウォールとあわせて4面で圧倒的な空間演出ができるLED空間を形成しています。
ウルトラマンアークのOP曲「arc jump’n to the sky」のMV撮影や、Apple Vision Pro専用空間ペイントアプリ「Spatial Paint」のPV撮影などに使用されました。
床を含めた背景演出が可能なので、被写体の全身が丸ごと仮想空間に溶け込むように撮影しやすくなっています。
営業時間 | 7時~23時 定休日なし |
基本料金 | 55,000円(税込)~ |
住所 | 〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島2-14-9アソビル2F |
問い合わせ先 | 0120-445-028 |
ヒビノビジュアル Div.「Hibino VFX Studio」
ヒビノ株式会社が運営する「Hibino VFX Studio」は、バーチャルプロダクションに特化した撮影スタジオです。
LEDウォールは全幅9m×高さ4.5m、超高精細1.56mmピッチのLEDビジョンで形成しています。反射のないマットな表面と色彩再現能力に優れたFlip Chip LEDを採用しているのも特徴です。
LEDウォールの周囲には、天井と両サイドの環境光用LEDディスプレイも搭載。太陽の位置を表現する強力な照明と併用して自然な光の空間を演出できます。
営業時間 | 9時~19時 |
基本料金 | 案件に応じて見積もり |
住所 | 〒105-0022 東京都港区海岸 2-7-70 ヒビノ日の出ビル 3 階 |
問い合わせ先 | 03-5419-1611(ヒビノ株式会社 ヒビノビジュアル Div.代表) |
Hibino VFX Studio公式ホームページ(ヒビノ株式会社)
サイバーエージェント「LED STUDIO」
サイバーエージェントが運営する「LED STUDIO」は、広告・エンタメ・イベント開催などさまざまなシーンに対応している撮影スタジオです。
サムスン電子製の巨大LEDウォール(縦3.2m×横4.8m)、LED照明を常設しています。
LED照明によって照明のセッティング作業が効率化され、演者の負担を減らしながら臨場感のある撮影ができる環境です。
雑誌やCMの宣材撮影、オンラインライブのコンテンツ制作、海外風景を背景としたロケーション撮影などの活用例が期待されています。
営業時間 | 要問い合わせ |
基本料金 | 要問い合わせ |
住所 | 要問い合わせ |
問い合わせ先 | info@cyberhuman-productions.co.jp |
巨大LEDウォールにより、高精細なCG背景空間で撮影ができる「LED STUDIO™」が誕生(サイバーエージェント)
LEDウォールは映画やMV撮影などに最適!床面を含めた背景演出はLED TOKYOのスタジオへ
LEDウォールは、撮影時の背景演出を目的にLEDパネルで構築した巨大スクリーンです。
バーチャルプロダクション撮影スタジオやLEDスタジオで導入されるのが主流となっており、グリーンバックと違って撮影時に背景が表示されるため、演者が臨場感あふれる演技を行えます。
セットを用意する必要もなく、映画やドラマ、MV、PVといったさまざまな撮影に最適で、現代の映像制作には欠かせない設備となりました。
今回ご紹介したように、LEDウォールを導入している撮影スタジオは各地に登場しています。スタジオごとにLEDウォールの構成、強みなども異なるので、撮影内容に適した場所を選ぶとよいでしょう。
LED TOKYOの「YOKOHAMA STUDIO」では、床面にもLEDビジョンを導入してLEDウォールを活用しています。床面を含めたリアルな背景を撮影したい場合は、ぜひ「YOKOHAMA STUDIO」の利用を検討してみてください。
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