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透明ディスプレイ

透明ディスプレイとは?仕組みや利用シーンを解説

  • 公開日:2024.09.11
  • 更新日:2024.09.11
  • 液晶ディスプレイ

通常のディスプレイとは違って画面が透ける透明ディスプレイが注目されています。仕組みや魅力が気になっている方も多いでしょう。

今回は、透明ディスプレイとは何かわかるように、概要をはじめ種類や原理、メリット、価格などを解説します。利用シーンにも触れているので、気になった活用方法があればぜひ試してみてください。

透明ディスプレイとは

透明ディスプレイ(Transparent Display)は、液晶ディスプレイの一種であり、画面が透けているデジタルサイネージです。従来のデジタルサイネージと違って背景が画面に映り込みます。

ディスプレイを強化ガラスに貼って薄くてシンプルな画面を構築したり、フレームに自然素材を用いてあたたかな印象を引き出したりすることも可能です。

ディスプレイをはさんで情報をやり取りできるツールとしても注目されるようになりました。外観はスタイリッシュで、最先端・近未来感を醸し出します。最新施設に導入するとさらに見栄えが映えるでしょう。

種類

透明ディスプレイの種類は、主に有機EL(OLED)と、無機ELに分かれており、特徴が異なります。製品を選ぶときに区別できるよう、有機ELと無機ELの特徴も含めて、ディスプレイの種類を押さえておきましょう。

【有機EL(OLED)】

有機ELディスプレイは、有機材料に基づき発光するダイオードを搭載したディスプレイです。OLED(Organic Light Emitting Diode)と有機ELは同義となっています。

有機材料が電流を受けると直接光を放つのが特徴です。各ピクセルが自ら発光するのでバックライトが不要であり、真っ黒な表示をすることもできます。自然に近い高画質な映像を表示できるメリットがある一方で、製造コストが高い点、寿命が短い点などにデメリットがあります。

透明ディスプレイにも透明有機ELパネルが採用されることがあります。ディスプレイの厚みが1cm未満のように超薄型の製品も利用可能です。

OLEDについてメリット・デメリットなどを詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

OLEDとは?メリット・デメリット・導入手順を解説

【無機EL】

無機ELディスプレイは、蛍光物質に硫化亜鉛といった無機化合物を使用して電圧をかけて発光させるディスプレイです。有機ELと違って蛍光物質に無機化合物を利用しています。

製造コストが安い点や衝撃・振動に強い点、一般ごみとして廃棄できる点などがメリットです。
その一方で、輝度が低い点や寿命が短い点、カラー表現が難しい点などがデメリットだといわれています。

透明ディスプレイにも無機ELが活用されるようになり、車や列車、飛行機のメーターなどにも利用可能です。

技術的な原理・仕組み

透明ディスプレイの技術的な原理・仕組みとして、通常の液晶ディスプレイに備わっている液晶パネルからバックライトユニットをなくしています。

フィルム自体を発光させられるので、色の鮮明さやコントラスト比が高いだけでなく、薄型で軽量な設計が可能です(一部にLEDライトを導入してボックス内で拡散・反射させて液晶パネルを光らせるパターンもあります)。

網戸と同じ原理・仕組みとなっており、網戸と外景が組み合わさったとき、網戸の隙間を通して背景が見えるようになっています。

通常のディスプレイはRGBの色画素が隙間なく配置されているのに対して、透明ディスプレイはRGBと透明画素が交互に配置されている構造です。

透明ディスプレイのメリット

透明ディスプレイには従来のデジタルサイネージにはない独特のメリットがあります。メリットを把握することで、透明ディスプレイの新たな価値に気づけるでしょう。

ここでは、透明ディスプレイのメリットについて解説します。

メリット①透明性を生かしたデジタルコンテンツを表示

透明ディスプレイは、通常のディスプレイと同様に映像を表示できるのはもちろんのこと、透明性を生かしたデジタルコンテンツを表示できます。

たとえば、海の中で泳ぐ魚を透明ディスプレイに表示させ、ディスプレイの裏側に花が飾られた花瓶を配置すれば、海の中で花が咲いているように見えるコンテンツを作成できます。

このように透明ディスプレイを用いれば、コンテンツと実物を重ねた映像表示によって新たな表現が可能です。簡単な映像でもデジタルコンテンツのオリジナリティを急激に高められるでしょう。

メリット②透過性によりどのような空間でも採用しやすい

透明ディスプレイは透過性の性質からどのような空間でも採用しやすくなっています。

通常のディスプレイでは、画面を設置すると後ろの光景を遮断してしまいます。魅力的な光景がある空間では、設置場所が限られてしまうことから導入しづらいです。

その点、透明ディスプレイであれば情報を表示しながらも背後の光景を遮ることはありません。空間の魅力を最大限活かしながら情報提供できる環境を構築できます。

メリット③会話が難しい方ともコミュニケーションを交わせる

透明ディスプレイは、コミュニケーションツールとしても利用できます。

たとえば、受付スタッフが話した言葉を音声入力して表示させることで、音が聞こえにくい方とも会話しやすくなります。発話が難しい方であれば、キーボード入力によって言葉を出力してもらうことも可能です。

会話が難しい方でも利用しやすい施設づくりができるので、より多くの人々から施設を訪れてもらいやすくなります。

メリット④省電力でバッテリー駆動にも対応

透明ディスプレイは、周囲の光を利用して映像を表示できます。すでにお伝えした通り、映像を表示させるのに、バックライトの光源を必要としません。

そのため、通常のデジタルサイネージよりも表示に必要な消費電力が低く、電気代も節約しやすいです。
ランニングコストを抑えられることから、案内窓口や店舗の長時間営業にも対応しやすいでしょう。

また、バッテリー駆動に対応した製品もあり、コンセントのない場所でも気軽に移動させて利用できます。机の上に持ち運んで簡単に仕切りとして設置できるのも便利です。ローラーがついた透明ディスプレイを選べばさらに移動しやすくなります。

メリット⑤空間演出にも活用できる

透明ディスプレイは、パーティションとしておしゃれなデザインの映像を映し、空間演出に役立てることもできます。

たとえば、透明ディスプレイにダンスの映像を流し、画面外の底面にダンスの影を表示させる個性的な演出もできます。一般的なディスプレイとは違って新たな空間演出ができるので、施設のオリジナリティを高めたい場合にも役立つでしょう。

透明ディスプレイの利用シーン

透明ディスプレイはさまざまなシーンで活用され、施設の価値を高めています。具体的な利用シーンを知ることで利便性をさらに理解できるでしょう。

引き続き、透明ディスプレイの利用シーンについて解説します。

シーン①ホテルや駅などの施設窓口

ホテルや商業施設、駅、空港などの案内窓口に設置すると、スタッフが画面上に情報を表示させながらわかりやすく説明できます。

近年は円安によって日本に外国人がたくさん訪れる傾向になっています。インバウンド客を対象に翻訳機能付き透明ディスプレイを導入すれば、外国語でスムーズに案内することも可能です。

たとえば、画面に向かって話すと音声入力された言葉の翻訳結果を字幕として表示できます。従来の翻訳機器を使った会話ではデバイスの翻訳結果を見てから、相手の顔を再び見て話すという工程が発生してしまい、どうしてもコミュニケーションが不自然になりがちでした。

その点、透明ディスプレイを活用すれば相手の顔と字幕の両方が同時に視界に入ります。従来の翻訳機器よりも自然な会話が可能です。

シーン②飲食店のカウンターやテーブルの仕切り

透明ディスプレイ透明ディスプレイの利用シーンとして飲食店のカウンターが挙げられます。

カウンターにスタッフと来店者を仕切るように設置し、画面にメニューや支払金額を表示させてスムーズに会計手続きできます。仕切りによって会話時の飛沫をシャットできるため、感染症防止にも役立つでしょう。

また、長いテーブルをパーティションとして区切って、半プライベート空間を実現するのにも活用できます。
透明パーティションに花柄の模様を写すなどして、お店やメニューに適したおしゃれな雰囲気も演出可能です。

シーン③オフィスの資料共有や会議室の仕切り、企業紹介

透明ディスプレイは、オフィスでのコミュニケーションを円滑にするのにも役立ちます。

たとえばミーティングでは、一般的に大きなディスプレイで資料を共有して参加者全員が確認できるようにしますが、ディスプレイを見るときに話す相手の顔から目を離してしまいます。

その点、机の上にメンバー同士の間を透明ディスプレイで仕切るように設置すれば、相手の顔を見ながら同じ情報を確認してコミュニケーションを交わせます。表情を常に視覚に入れながら話せるので、相手の理解度まで把握しやすくなるでしょう。

そのほか、会議室を仕切るガラス壁の一部に組み込んだり、エントランスでの企業紹介に活用して来客にインパクトを与えたりするなどの使い道もあります。透過率の高さから自然にオフィス環境に溶け込みやすいです。空間の広さと開放感を損ねず、導入も検討しやすいでしょう。

シーン④アパレルショップのショーウィンドウ

透明ディスプレイをアパレルショップのショーウィンドウとして活用するシーンもあります。

一般的なショーウィンドウは全体が透明であり、視認性の確保や商品の汚れ・破損防止などを目的に設置されます。透明ディスプレイであれば、従来の用途に加えて商品の見せ方をアレンジすることも可能です。

たとえば、商品を見せつつ画面上に説明を表示したり、商品の周囲に装飾映像を表示したりできます。
これまでよりも商品をわかりやすく魅力的に展示できるので、売り上げアップも期待できるでしょう。

シーン⑤展示会のブース看板、装飾

透明ディスプレイは展示会でのブース看板、装飾などにも役立ちます。

展示会では、大型ディスプレイを設置すると遠くの通行人に対して効率的に集客しやすくなりますが、ディスプレイでブースの内側が隠れてしまう恐れがあります。その点、透明ディスプレイであれば透けて見えるので、ブースの宣伝をしながら内側の様子の視認性も確保できます。

ブースはどうしてもスペースが限られてしまうので、ディスプレイを設置すると来場者に圧迫感を与えてしまうかもしれません。透明ディスプレイであれば空間の奥行まで視界に入るので、ブースの開放感を高められるでしょう。

透明ディスプレイの価格

透明ディスプレイの利便性がわかり、導入を検討してみたくなった方も多いでしょう。

続いて気になるのが価格ですが、相場の例を挙げるとスタンドタイプの55型が約150万円、卓上タイプの30型が約100万円となっています。かなり小型のタイプであれば、10万円~20万円程度で購入することも可能です。提供事業者によっては価格が公開されないケースも珍しくありません。

施設の環境にマッチする透明ディスプレイを導入したい場合であれば、ヒアリング・現地調査をしてもらったうえで、詳細な見積もり価格を提示してもらうとよいでしょう。

透明ディスプレイの導入に迷ったらLED TOKYOに相談

今回は透明ディスプレイの概要やメリット、利用シーンなどを中心に解説しました。透明ディスプレイは、画面に映像を表示できるだけでなく、背景を透過させて見せられる表示機器です。

ディスプレイを設置しても空間に圧迫感が生じにくく、透過性を活かしたクリエイティブなコンテンツも表示させられます。テキストを表示させながら対面して会話できるのも斬新であり、コミュニケーションの幅も広げてくれます。

ホテルの窓口や飲食店のテーブル、オフィスの会議室、アパレルショップのショーウィンドウなどとも相性が良いです。ただ、ディスプレイにはさまざまな種類があり、ほかの種類ともよく比較して検討する必要もあります。

LED TOKYOでは、多種多様なデジタルサイネージを取り扱っており、既存の窓面をそのまま活用できる最大90%を超える透過度のディスプレイも提供しています。透明ディスプレイを導入すべきか迷っている方、シースルータイプでスタイリッシュなディスプレイをお探しの方などは、ぜひLED TOKYOまでご相談ください。

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今回は、透明ディスプレイとは何かわかるように、概要をはじめ種類や原理、メリット、価格などを解説します。利用シーンにも触れているので、気になった活用方法があればぜひ試してみてください。
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