液晶とOLEDの違いは？画質や消費電力、寿命などを比較して解説

• 公開日：2023.08.29
• 更新日：2024.10.11

• 液晶ディスプレイ

テレビやパソコン、スマートフォン、デジタルサイネージなど、いまや私たちの生活にはディスプレイが欠かせません。そして、そのディスプレイはこれまで「液晶」が主流でした。

しかし、近年は「OLED」という新しいディスプレイが普及してきています。そのため「同じディスプレイなのに何が違うの？」という疑問をもたれる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、液晶とOLEDの違いについて、画質や消費電力、寿命などを比較して解説します。ディスプレイの選択に迷われている方は、ぜひご覧になってみてください。

液晶とOLEDの違いは？

液晶とOLEDの違いについて、以下の6つにわけて解説します。

1. 仕組み
2. 画質
3. 消費電力
4. 寿命
5. 価格
6. 注意点

液晶とOLEDには、それぞれメリット・デメリットがあります。

1. 仕組み

液晶の仕組みは「バックライト」「液晶」「カラーフィルター」の三層構造です。液晶に電圧をかけて液晶分子の向きを変えることにより、バックライトの光を調節してカラーフィルターに送ります。

液晶は必ずバックライトが必要なため、そのぶん厚みと重量が出てしまうのがデメリットです。しかし、バックライトのおかげで輝度が高く、明るいところでも画面が見やすいメリットがあります。

OLEDとは「Organic Light Emitting Diode」の略称で「有機発光ダイオード」を意味します。OLEDは、素子に電流を流して発光させるため、液晶のようなバックライトが不要です。素子の材質によって発光する色が変わるため、基本的にカラーフィルターも要りません。

バックライトがないぶん、液晶に比べて薄型軽量にできるのがメリットです。さらに、曲げることもできます。ただし、素子の輝度はバックライトに比べて低いため、明るいところでは画面が見えにくくなるのがデメリットです。

2. 画質

OLEDは、液晶に比べて画質が良いとされています。とくに明るい部分（白）と暗い部分（黒）のコントラスト比が高いため、鮮明な映像を表現できます。

これは「黒」を表現する際に、液晶はバックライトがあるため完全な黒になりませんが、OLEDは素子を発光させないことで完全な黒になるのが理由です。そのため、OLEDのほうが臨場感や没入感が高まります。

また、OLEDは素早い映像でも残像が残りにくいため、液晶に比べて映像が滑らかでシャープです。これは、液晶は液晶分子の向きを変える時間が必要なのに対して、OLEDは素子の輝度を瞬時に変えられるからです。

ゲームなどで応答速度が求められる場合は、OLEDのほうが良いでしょう。

3. 消費電力

液晶は、バックライトを常時点灯させる必要があるため消費電力が大きいです。

一方、OLEDは必要な素子以外は光らせないため、そのぶん消費電力を節約できます。スマートフォンなどは、バッテリーが長持ちするのがメリットです。

ただし、OLEDでも、液晶と同じようにカラーフィルターを使用するテレビなどは、液晶よりも消費電力が大きくなることがあるため注意しましょう。

4. 寿命

一般的に、液晶の寿命は約6万時間と言われています。それに対してOLEDは、素子に高負荷がかかると劣化するため、寿命は約3万時間とされています。24時間フル稼働した場合、液晶は約7年、OLEDは約3.5年の計算です。

スマートフォンなどは買い替えのサイクルが比較的短いため、OLEDを選んでも寿命の問題は起こりにくいでしょう。しかし、ずっと長く使っていきたいならば、液晶の製品を選んだほうが無難です。

5. 価格

液晶はすでに広く普及しており、価格が安いのがメリットです。

それに対してOLEDは、まだ液晶ほどに普及しておらず製造コストが高いため、総じて価格も高いです。そのため、おもに現在はハイエンドモデルに使用されています。

OLEDも普及が進めば、液晶と同じく価格が落ち着いてくるでしょう。

6. 注意点

OLEDには、液晶にはない「焼き付き」と呼ばれる現象があります。同じ画像を長時間表示させたままにすると、ディスプレイにその画像の跡がうっすらと残ってしまいます。

一度焼き付いてしまうと元には戻せないため、常時表示には注意が必要です。

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まとめ

液晶とOLEDは仕組みが違うため、画質や消費電力、寿命、価格が異なります。ディスプレイは、それぞれのメリット・デメリットを見極めて選ぶと良いでしょう。

また、OLEDには、液晶にはない「焼き付き」があるため、同じ画像を常時表示しないように注意が必要です。

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