映像制作における著作権や肖像権を学ぼう！基礎知識や注意点などを解説

• 公開日：2023.09.20
• 更新日：2024.10.12

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近年、SNSやデジタルサイネージの普及、およびインターネット環境の発達などにより、一昔前にくらべて動画コンテンツが当たり前のものとなりました。

そこで見落とされがちなのが、映像制作における著作権や肖像権です。法律的なルールを知っておかないと、後々思わぬトラブルに発展しかねません。

この記事では、映像制作における著作権や肖像権について、基礎知識や注意点などを解説します。映像制作をされる方または依頼する方は、ぜひご覧になってみてください。

映像制作における著作権および肖像権の基礎知識や注意点

映像制作における著作権や肖像権について、以下4つにわけて基礎知識や注意点などを解説します。

1. 著作権とは？
2. 著作権は誰のもの？
3. 肖像権とは？
4. 著作権や肖像権を侵害するとどうなる？

それぞれ見ていきましょう。

1. 著作権とは？

著作権とは、著作物が完成した時点で著作者に自動的に発生する権利で、具体的には次のような権利があります。

著作者人格権として「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」。著作権（財産権）として「複製権」「上演権・演奏権」「上映権」「公衆送信権・公の伝達権」「口述権」「展示権」「頒布権」「譲渡権」「貸与権」「翻訳権・翻案権など」「二次的著作物の利用権」。

これらの権利で著作物は保護されているため、第三者が著作物を利用する場合、著作者の許可を得なければいけません。

映像制作で使用する音楽や画像などの素材には著作権があるため、無断で使用したり改変したりすると著作権侵害になります。

また、著作権フリーの音楽や画像もありますが、商業利用は別途追加料金が必要なこともあるため、利用する際は注意が必要です。

2. 著作権は誰のもの？

著作権は著作者に発生しますが、映像制作における著作者とは具体的に誰を指すのでしょうか。これは一般的に、映像を制作した監督やプロデューサーなど、全体的な形成をした人が著作者になるとされています。

映像制作を依頼した場合でも、その著作権は依頼した発注者にあるのではなく、実際に映像を制作した監督やプロデューサーに発生することが多いです。

そのため、映像制作を依頼した発注者に著作権はないので、納品された制作物を契約の範囲外で利用したり改変したりすると著作権侵害になります。

制作物を自由に取り扱いたい場合は、著作権の譲渡を検討すると良いでしょう。

3. 肖像権とは？

映像制作の際に、著作権と同じように注意が必要なのが「肖像権」です。

肖像権とは、他人から無断で顔や容姿を撮影されたり、それを公表や利用されたりしないための権利です。著作権とは違い法律で定められてはいませんが、民事裁判による判例をもとに一般化されています。

肖像権には、プライバシー権（人格権）とパブリシティ権（財産権）の2つがあります。

たとえば、撮影で映り込んだ通行人の顔がハッキリ映っていて個人を特定できるような場合は、プライバシー権（人格権）の侵害になるおそれが高いです。人だけでなく、建物や看板などに関しても肖像権を訴えられることがあるため、映り込みには注意が必要です。

映り込みではなく自社の社員をキャスティングするような場合も、肖像権に配慮して本人の許可を得る必要があります。

また、映像制作にタレントやモデルなどの有名人を利用する場合、パブリシティ権（財産権）による使用期間などを守らなくてはいけません。

4. 著作権や肖像権を侵害するとどうなる？

著作権侵害は犯罪なので、被害者が告訴することにより刑事上の罰則があります。具体的には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金です。法人による侵害の場合は、3億円以下の罰金となっています。

また、被害者は民事上でも「侵害行為の差止請求」「損害賠償の請求」「不当利得の返還請求」「名誉回復などの措置の請求」が可能です。

肖像権は法律で定められていないため、侵害しても刑事上の罰則はありません。ただし、民事上で損害賠償を請求されるおそれがあります。

映像制作における権利の種類や侵害に対するペナルティ、侵害しないための対策を解説！

まとめ

映像制作における著作権や肖像権について、基礎知識や注意点などを解説しました。

映像制作で使用する音楽や画像には著作権があるため、無断で使用したり改変したりすると著作権侵害になります。

また、一般的に映像制作物の著作権は監督やプロデューサーにあるため、映像制作を依頼した発注者といえども、納品された制作物を契約の範囲外で利用することはできません。

さらに、通行人や建物、看板などの映り込みが肖像権侵害にあたることもあるため、撮影の際は注意が必要です。

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