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液晶ディスプレイの仕組みから分かるLEDビジョンとの違いとは?

  • 公開日:2019.12.19
  • 更新日:2025.01.24
  • 液晶ディスプレイ

近年、情報発信の主要機器としてLEDビジョンが台頭しています。従来から使われていた液晶モニターとの違いがわからず、どちらを導入すべきか迷う方も多いでしょう。

そこで今回は、液晶モニターとLEDビジョンの違いをさまざまな観点から比較して解説します。液晶モニターやLEDビジョンを選ぶときのポイントもご紹介しているので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

液晶モニターとLEDビジョンの仕組みの違い

液晶モニターとLEDビジョンはどちらも映像を表示するディスプレイですが、根本的に表示器としての仕組みが違います。

仕組みの違いを知ることでこれまで曖昧だった液晶モニターとLEDビジョンを簡単に区別できるようになり、どちらを導入すべきか判断しやすくなるでしょう。

早速、液晶モニターとLEDビジョンの仕組みの違いからご説明します。

液晶モニターの仕組み

液晶モニターは、液晶層やバックライト、カラーフィルターなど、LEDビジョンとは違う構造で成り立っています。

まずは液晶モニターの仕組みから解説します。

OLED

液晶層とバックライトの役割

液晶モニターはLCD(Liquid Crystal Display)をさし、液晶ディスプレイと同じ機器です。液晶モニターはバックライトの光を液晶層に通して映像を出力しています。

液晶層の分子は電圧によって向きが変わり、光の通り道を制御して映像を表示させる仕組みです。スマートフォンやテレビなど身近な製品にも利用されています。

カラーフィルターの活用

液晶モニターではカラーフィルターが活用されており、映像の色を表現する役割を果たしています。

カラーフィルターは、バックライトに重なるガラス基板上に、黒い格子部であるブラックマトリックス(BM)と、赤・緑・青の3原色が塗分けられています。1画素はR・G・Bで構成され、画素内のR・G・Bはサブピクセルと呼ばれます。

LEDビジョンの仕組み

LEDビジョンは液晶モニターと違い、発光ダイオードやモジュールによって構成されています。続いてLEDビジョンの仕組みを解説します。

発光ダイオード(LED)の特性

LEDビジョンのLEDは、Light Emitting Diodeの略称であり、発光ダイオードを意味します。pn接合という構造で成り立ち、半導体結晶の内部で電気エネルギーを直接光エネルギーに変化させる特性を応用した光源です。

液晶モニターはバックライトを光源としていましたが、LEDビジョンは素子自体が発光します。なお、発光ダイオードは赤色・青色・緑色の素子であり、3色がユニット化されている構造です。液晶モニターのようにカラーフィルターはありません。

青色LED

モジュール構成

LEDビジョンは、LEDモジュールという部品が組み合わさって構成されています。LEDモジュールに発光ダイオードが規則的に配置されている仕組みです。液晶モニターのように液晶層はありません。

発光ダイオードの密度が大きいと、解像度が高く鮮明な映像を表示できます。反対に密度が小さいと、解像度が低く粗い映像になってしまいがちです。

柔軟な設置サイズ

LEDビジョンは、画面サイズが固定された液晶モニターと違い、モジュールを組み合わせることで柔軟なサイズを構築して設置できます。

都心ではビルに巨大なLEDビジョンが設置されることも多いです。形状を調整しておしゃれなアート作品のように設置することもできます。

LEDビジョンの概要と仕組みについては下記の記事でもご確認いただけます。

 

液晶モニターとLEDビジョンのそのほかの違いを比較

液晶モニターとLEDビジョンは表示器としての仕組みに大きな違いがありました。

そのほか、仕組み以外にもさまざまな違いがあり、導入を決めるための判断材料となります。

続いては液晶モニターとLEDビジョンの細かい違いについて解説します。

価格の違い

基本的には液晶モニターよりもLEDビジョンのほうが高値になりやすいです。液晶モニターは小型サイズが通販などで比較的安く販売されており、1万円以内で購入できる場合もあります。

ただ、LEDビジョンは大きくなるほど安くなる場合もあります。100インチのLEDビジョンが、90インチの液晶モニターの半額以下の価格になるケースも見受けられます。

ケースバイケースで価格が変わるため、コストパフォーマンスを正確に比較したい場合は専門業者に相談が必要です。

明るさ(輝度)の違い

デジタルサイネージの明るさを示す指標は輝度であり、単位はcd/m²です。LEDビジョンのほうが液晶モニターよりも輝度が高い傾向にあります。

たとえば、LEDビジョンは5,000~6,500cd/m²の超高輝度の製品もあります。直射日光が強い屋外環境でも鮮明な映像を表示できます。

その一方で液晶モニターの輝度は250~500cd/m²程度であり、LEDビジョンの10分の1以下になるケースも少なくありません。屋外に輝度が低いモニターを選んでしまうと、画面の明るさが不足して、遠目から表示内容がわかりづらくなって不便です。

消費電力の違い

LEDビジョンの消費電力は100インチであれば平均840W程度、液晶モニターは90インチであれば平均660W程度です。

液晶モニターは、屋内で使うことが多く輝度もそこまで高くないことから、消費電力はLEDビジョンよりも低めになるのでしょう。

ただ、LEDビジョンは屋外だけでなく屋内に最適化されたタイプもあります。屋内用は屋外用よりも消費電力が少ない傾向です。最大消費電力が500W以下の製品も珍しくありません。液晶モニターのほうが消費電力は低いと決めつけないようにしましょう。

画面サイズの違い

すでにお伝えした通り、LEDビジョンはモジュールを組み合わせて画面を形成するため、どのような大きさにもスケールできます。

その一方で液晶モニターは規格が決まっており、基本的にはスケールできません。規格以上のサイズにすることは不可能ではありませんが、オーダーメイドになるため価格が高くなりやすいです。

複数のモニターを組み合わせてスケールする場合は、ベゼル(保護枠)が画面に残り、画像や映像の妨げになります。その点、LEDビジョンにはベゼルは発生しません。

したがって、ベゼルなしで環境に適した大きさにスケールできるLEDビジョンのほうが、巨大な画面を構築しやすいといえるでしょう。

設置の自由度の違い

LEDビジョンはモジュールを組み合わせて巨大ディスプレイを構築できることから、液晶モニターよりも設置の自由度が高いです。

たとえば、球体の表面にLEDビジョンを配置することで、360度の方向から映像やメッセージを発信できます。球体を活かして巨大な地球儀を表現することも可能でしょう。

そのほか、商業ゾーンのエントランスにコの字型のゲートアートとしてLEDビジョンを設置するケースも見受けられます。独創的なディスプレイを構築したい場合にもLEDビジョンが重宝するでしょう。

大東洋屋外入口

色の再現性の違い

LEDビジョンはLED素子が発光して色を表示しており、光源の消灯によって真っ黒な色を表現できます。

その一方で液晶ディスプレイは、バックライトを遮るときに光が漏れるため、全面を真っ黒にしたくてもわずかに光ってしまいます。

黒色の再現性を重視するのであればLEDビジョンが適しているといえそうです。

視野角の違い

視野角は、角度がついた状態でも輝度が半減しない範囲です。視野角が広ければ映像を視聴しやすいです。

LEDビジョンは表面にガラスがないので、幅広い角度からきれいに視聴できます。その一方で液晶ディスプレイはガラス層があり、角度によっては反射で視聴しづらい場合もあります。したがって、基本的に広い場所に導入する場合、さまざまな位置から見やすいLEDビジョンの設置が適しているといえるでしょう。

なお、液晶モニターにはTNパネル・VAパネル・IPSパネル・ADSパネルなどの種類があり、種類によっても色の再現性や視野角が変わってきます。詳細を知りたい方は下記の記事をご覧になってください。

設置環境と耐久性の違い

LEDビジョンは屋内だけでなく屋外で使えるタイプがあり、耐久性が高い傾向です。防水耐性や防塵耐性が高い製品が見つかりやすく、雨水や粉塵にさらされる厳しい環境下でも問題なく運用できます。

その一方で液晶モニターについては、設置環境や耐久性に関してLEDビジョンよりも注意すべき点が見受けられます。

たとえば、直射日光が当たり続けると故障してしまうケースがあります。また、液晶モニター0は圧力に弱く、衝突トラブルによって不具合が生じるリスクも高いです。

耐久性の高い液晶モニターがないわけではありませんが、基本的には屋外にディスプレイを導入したい場合はLEDビジョンのほうが安心して導入しやすいでしょう。

液晶モニターとLEDビジョンの選び方のポイント

液晶モニターとLEDビジョンの違いについてお伝えしました。さまざまな観点から違いに着目することで、それぞれの長所や短所が見えてきたのではないでしょうか。

なお、液晶モニターとLEDビジョンを導入するにあたって押さえておきたい選び方もあります。

続いては、液晶モニターとLEDビジョンの選び方のポイントについて解説します。

設置場所と使用目的の考慮

液晶モニターやLEDビジョンを選ぶときは、基本的に設置場所と使用目的を考慮するのが基本です。

液晶モニターは、屋内で気軽に設置できる小型製品を安価な価格で入手しやすく、室内におけるテレワーク用のセカンドモニターや、ゲーム用のゲームモニターなどに使う場合に検討できます。ブルーライト軽減モードを搭載している製品であれば、長時間使用しても眼にやさしいでしょう。

LEDビジョンは屋外に大画面で設置しやすいので、屋外で大々的に宣伝・広告をする場合に最適です。都市のビル壁面や野外のイベント会場、道路沿いなどに大画面を構築したい場合にも検討できます。

視認距離や解像度の選定

ディスプレイは画面を視るときの距離によっても見栄えが変わります。

LEDビジョンは液晶と違い素子の間隔が広く、解像度が劣りやすい傾向です。近くで視聴すると画像や映像の粗さが目立つケースも想定されます。

その点をふまえると、基本的には至近距離での視聴が想定される場合は液晶モニター、遠距離での視聴が想定される場合はLEDビジョンが適しているでしょう。

LEDビジョンには近距離でも美しく見える屋内用があります。屋内で大画面を構築したい場合、視認距離と解像度を考慮しつつ検討してみるとよいでしょう。

予算と長期的運用コストの評価

液晶モニターは比較的に安価で入手できるとお伝えしましたが、性能が高い製品だと小型でも10万円を超えるケースは少なくありません。修理が必要になったとき買い替えを検討せざるを得ない金額を提示される場合もあります。

LEDビジョンは、液晶モニターよりも明るく光り続けられる時間が長い傾向です。長期的に運用できればコストパフォーマンスが高くなる可能性もあるでしょう。

予算と長期的に運用した場合の修理コストまで想定して、どちらを選ぶべきか検討してみてください。

液晶モニターとLEDビジョンはどちらが優れている?

結論として液晶モニターとLEDビジョンにはそれぞれ長所・短所があるため、優劣を決めるのは難しいです。

基本的には、作業用途で小さい画面が必要な場合は、至近距離でもきれいに見える液晶モニターが適しており、長時間の放映や120インチ以上のサイズを検討している場合は、耐久性が高く屋内外の両方に大画面を構築できるLEDビジョンが適しています。

LED TOKYOは、LEDビジョンと液晶モニターの両方を取り扱っており、ディスプレイの専門家がそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしたうえで、導入環境に最適な製品をご提案できます。

LEDビジョンと液晶モニターのどちらを導入すべきか迷ったときは、ぜひ一度LED TOKYOまでご相談ください。

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液晶ディスプレイの仕組みから分かるLEDビジョンとの違いとは?
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液晶ディスプレイの仕組みから分かるLEDビジョンとの違いとは?
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液晶モニターとLEDビジョンの違いをさまざまな観点から比較して解説します。液晶モニターやLEDビジョンを選ぶときのポイントもご紹介しているので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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