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デジタルサイネージとは?概要や市場規模、メリット、活用目的、事例、仕組みなどを解説
- 公開日:2023.11.01
- 更新日:2024.10.12
- LEDビジョン
近年、あらゆる場所にデジタルサイネージが設置されるようになりました。しかしまだ、デジタルサイネージとは何なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルサイネージについて、概要や市場規模、メリット、注意点、活用目的、事例、仕組み、導入の流れを解説します。ぜひご覧になってみてください。
この記事の目次
デジタルサイネージとは?
デジタルサイネージとは、ディスプレイなどのデジタル映像機器を用いた電子看板のことです。サイネージ(Signage)には「看板」や「標識」という意味がありますが、最近ではサイネージと言えば「デジタルサイネージ(電子看板)」のことを指すことも多くなりました。それだけデジタルサイネージが一般的に普及してきたことを意味します。
一昔前までデジタルサイネージは、繁華街のビルの壁面に設置された大型ビジョンがメインでした。しかし現在は、駅やバス停、店舗、施設、オフィス、工場、イベント会場、電車、バス、タクシーなど、あらゆるところにデジタルサイネージが溢れています。大型のものだけでなく、小型のものもデジタルサイネージです。
デジタルサイネージは、ほかにも「電子掲示板」「電子POP」「電子広告板」「電子ポスター」「電子情報ボード」「デジタル掲示板」「デジタルPOP」「イルミネーション・サイネージ」「ダイナミック・サイネージ」などと呼ばれることもあります。
デジタルサイネージの市場規模
株式会社CARTA HOLDINGSと株式会社デジタルインファクトの「デジタルサイネージ広告市場に関する調査」によると、2022年の市場規模は690億円(前年比119%)との見通しでした。
さらに2023年は839億円、2024年は1012億円、2025年は1181億円、2026年は1338億円と右肩上がりの予測も出ています。2026年の予測は、2022年比194%で約2倍の数字です。今後ますますデジタルサイネージの活躍の場は広がるでしょう。
2022年の市場規模690億円の内訳は、電車やバス、タクシー、航空機、駅施設、空港などの交通機関が358億円で、全体の51.9%を占めます。都内を走るタクシーのデジタルサイネージは、新規取り付けがほぼ終了しており、これから安定成長段階に入ることも示唆されています。
次に多いのは商業施設や店舗の142億円で、全体の20.6%です。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの小売店のほか、ショッピングモールや飲食店、美容室などでも活用されています。デジタルサイネージの予算が「販売促進費」から、より予算規模の大きい「広告費」に移行してきており、これから市場規模が飛躍的に拡大すると分析されています。
3番目に多いのは、全体の15.5%を占める「屋外」で107億円です。渋谷などの人気エリアでの広告需要は根強く、SNSでの拡散が期待されるユニークな新規媒体開発に積極的な姿勢が見られるとしています。
最後に「その他」が83億円で全体の12.0%です。商業ビルやマンションにおけるエレベーターのデジタルサイネージが注目を集めており、今後の急成長が予想されています。
デジタルサイネージのメリット
デジタルサイネージのメリットを、以下の4点にわけて解説します。
- 訴求力のある明るい映像
- コンテンツの切り替えや差し替えが簡単
- 多くの情報を省スペースで提供
- データ収集もできるインタラクティブ性
紙媒体に比べて多くのメリットがあるため、デジタルサイネージは普及が進んでいます。
1. 訴求力のある明るい映像
デジタルサイネージの大きなメリットのひとつが、訴求力のある明るい映像です。デジタルサイネージで使われる高輝度のディスプレイやLEDビジョンは、遠くからでも視認できます。夜間はもちろん、昼間の雑多な雰囲気のなかでも目立つため、人の注目を集めやすいです。
また、人は動きのあるものに目を引かれるため、動きの出せない紙媒体よりもデジタルサイネージのほうがアピールできます。映像は音声との相性も良いので、音声を付けるとさらに効果的です。広告だけでなく、店頭での集客や販売促進も期待できます。
近年は明るい映像に加え、3Dで飛び出して見える映像や、キューブ型ディスプレイの上を縦横無尽に駆け回る映像など、さらにインパクトのあるデジタルサイネージも登場しています。インパクトのある映像は、SNSなどでの拡散が期待できるのもメリットです。
広告や集客、販売促進のほかに、店舗やイベント会場などの雰囲気に合わせた映像を流すことで効果的な空間演出もできます。
2. コンテンツの差し替えが簡単
コンテンツを変更したい場合、ポスターのような紙媒体は貼り替えが必要です。それに対してデジタルサイネージは、コンテンツのデータをディスプレイに表示させるだけなので簡単に差し替えができます。
そのため、電車であれば朝の通勤や通学の時間にはビジネスパーソンや学生向けの広告、昼間は主婦や高齢者向けの広告、休日はファミリー向けの広告など、時間帯や曜日によって広告を出しわけることも簡単です。
ネットワークに繋がっていれば、たとえば全国展開しているチェーン店のデジタルサイネージのコンテンツを、本部からリモートで同時に差し替えられます。突発的なキャンペーンや修正にも対応しやすいです。
また、交通情報や株価情報、災害情報、ニュース、待ち時間、順番待ちの呼び出し番号など、リアルタイムでの情報提供もできます。
貼り替え以外に、紙媒体は印刷や配送なども必要です。デジタルサイネージならば、これら印刷、配送、貼り替えにかかるコストや時間、労力を削減できます。経済的なだけでなく、ペーパーレスで環境的にもやさしいのがメリットです。
3. 多くの情報を省スペースで提供
ポスターなどの紙媒体で情報量を増やすには、掲示スペースを大きくするか、文字や画像を小さくする必要がありました。それに対してデジタルサイネージは、情報量の多い映像を流せるほか、静止画でも画面を次々と切り替えられます。そのため、狭いスペースでも多くの情報を提供できるのがメリットです。
これまで複数の商品を紹介するには、一つひとつの商品情報を小さくしたり、複数のポスターを並べて貼ったりしていました。しかし、これでは見えにくかったり、注意が散漫になったりします。デジタルサイネージならば、商品情報は大きいまま画面を切り替えることにより、一つひとつの商品情報をしっかり集中して伝えられます。
4. データ収集もできるインタラクティブ性
タッチパネル式のデジタルサイネージならば、紙媒体では不可能なインタラクティブ性もあります。昔から書店や図書館の在庫検索などはありましたが、近年は飲食店での注文もタッチパネルが増えてきました。多言語に対応していることも多いです。
さらにバーチャルで服を試着したり、インテリアをシミュレーションしたりなど、インタラクティブ性のあるデジタルサイネージの用途は幅広いです。タッチパネルではなく、人の動きにあわせて映像を変化させるモーションセンサー搭載のデジタルサイネージもあります。
また、インタラクティブ性のあるデジタルサイネージは、データを収集してマーケティングに活用できるのがメリットです。タッチパネルの操作ログを分析すれば、どのような情報や商品にニーズがあるのかわかります。AIカメラが搭載されていれば、性別や年齢、表情、体型などの属性までも分析できます。属性に合わせた広告表示なども可能です。
デジタルサイネージの注意点
デジタルサイネージの注意点を、以下の5点にわけて解説します。
- 導入コストが高い
- ランニングコストがかかる
- 運用方法を覚える必要がある
- 機器の故障リスクがある
- プライバシーの問題
メリットの多いデジタルサイネージですが、注意点も把握しておきましょう。
1. 導入コストが高い
デジタルサイネージのディスプレイは、サイズや解像度、輝度などのスペックによって高額になります。また、ネットワーク型のデジタルサイネージを導入するにはディスプレイだけでなく、コンテンツを再生する「STB(セットトップボックス)」や、コンテンツを管理する「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」も必要です。導入コストが高くなりすぎる場合は、レンタルも検討すると良いでしょう。
2. ランニングコストがかかる
ポスターなどの紙媒体は、一度貼ってしまえばランニングコストはかかりません。それに対してデジタルサイネージは映像を表示させるために、電気代や通信費用がかかります。
また、映像制作は紙媒体にくらべてコストが高いです。ただし、コストを比較する場合、紙媒体は制作コストだけでなく、印刷や配送、貼り替えも含めたトータルコストで考える必要があります。
3. 運用方法を覚える必要がある
デジタルサイネージを運用するには、機器やアプリケーションの操作が必要です。そのため、最初に運用方法を覚えなければいけません。メカやITの取り扱いに慣れていない人は、カスタマーサポートが充実している業者を選ぶと良いでしょう。
4. 機器の故障リスクがある
デジタルサイネージは、ディスプレイや周辺機器の故障リスクがあります。故障してしまったら修理が完了するまで映像を表示できません。また、配信システムがダウンしたり、停電したりしても使えなくなります。
自然故障のほかに、人やモノがぶつかってディスプレイが破損したり、本体が転倒したりといったリスクもあります。修理不能の場合は買い替えコストもかかるので、万が一に備えて保険も検討すると良いでしょう。
定期的なメンテナンスや、急なトラブルにも対応できる業者がいると心強いです。
5. プライバシーの問題
AIカメラを搭載したデジタルサイネージは、カメラ画像をそのまま収集すると個人が識別できてしまうためプライバシーの問題が発生します。そのため、デジタルサイネージの端末側で画像データを処理して、属性情報だけを収集するようにしなければいけません。
デジタルサイネージの活用目的
デジタルサイネージの活用目的を、以下の5点にわけて解説します。
- 広告配信
- 集客や販売促進
- インフォメーションや情報共有
- 空間演出
- データ収集
一昔前までデジタルサイネージと言えば広告配信でしたが、近年はさまざまな目的で活用されています。
1. 広告配信
これまでデジタルサイネージは、広告配信をメインに活用されてきました。以前は繁華街のビルの壁面に設置された大型ビジョンだけでしたが、近年はあらゆるところでデジタルサイネージの広告配信が目に留まります。
主要駅の柱はデジタルサイネージで埋め尽くされており、すべての柱をジャックして広告が配信されるようになりました。電車やバス、タクシーなどでも、デジタルサイネージによる広告が増えています。
2. 集客や販売促進
デジタルサイネージは明るい映像で目立つため、店舗前での集客に効果的です。目立って人の目を引くだけでなく、商品やサービス、キャンペーン、メニューなどの情報をしっかり伝えられます。
また、店舗内で商品の使い方やベネフィットを説明することにより、販売促進も期待できます。スタッフの代わりにずっとリピートして説明してもらえるため、人手不足解消にもつながるでしょう。
3. インフォメーションや情報共有
デジタルサイネージは、インフォメーションとしても広く活用されています。交通機関では行き先や時刻、乗り場、接続情報などの運行案内が表示されています。施設のフロアガイドや、順番待ちの呼び出し表示などもインフォメーションの一例です。
飲食店などではメニューがデジタルサイネージになっており、タッチパネルで注文できるところも増えました。利便性を高めたり、人手不足を解消したりしています。
また、オフィスや工場などでも、デジタルサイネージが情報共有のために活用されています。生産性や作業効率を高めたり、目標や注意事項を意識させたりするのに効果的です。
4. 空間演出
デジタルサイネージは、空間演出にも大きく役立ちます。店舗やオフィス、イベント会場などで目的に応じた映像を流すことにより、来訪者に特別な空間を提供できます。
ブランドのコンセプト映像を流してブランドイメージを高めたり、自然の美しい映像を流してリラクゼーションを誘ったり、没入感や臨場感の高い映像で驚きや感動を与えたり、目的に合わせて効果的な空間演出が可能です。
5. データ収集
デジタルサイネージは、マーケティングのためのデータ収集にも活用されます。タッチパネル式のデジタルサイネージは操作ログを収集できるため、どんなことに興味や関心がもたれているかを分析できます。
また、AIカメラを搭載したデジタルサイネージは、操作者の性別や年齢、表情、体型などの属性情報を収集できます。操作者だけでなく、デジタルサイネージに目を向けたり、前を通り過ぎたりした人の情報なども収集可能です。
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まずは資料ダウンロード >デジタルサイネージの事例
デジタルサイネージの事例を、以下の10点にわけて解説します。
- 飲食店
- スーパーマーケット
- ホームセンター
- 公共施設
- 病院
- 学校
- ホテル
- 工場
- オフィス
- イベント
それぞれ見ていきましょう。
1. 飲食店
ファーストフードをはじめとする飲食店では、メニューにデジタルサイネージを導入しています。モーニングやランチなど、時間帯によってメニューを簡単に切り替えられます。メニューの追加や削除、価格変更なども柔軟に対応可能です。おすすめメニューや割引キャンペーンなども効果的にアピールできます。
2. スーパーマーケット
スーパーマーケットでは紙のPOPに代わって、デジタルサイネージが使われるようになりました。POPは紙面が小さいため、情報量が限られています。デジタルサイネージならば映像を流せるため、省スペースでありながら商品の魅力を十分に伝えられます。また、映像と音声は顧客の注意を引くのにも効果的です。
3. ホームセンター
ホームセンターでも、デジタルサイネージが活用されています。ホームセンターで取り扱う商品は専門知識が必要されることも多く、スタッフによる商品説明が求められる場面も少なくありません。デジタルサイネージの映像があれば、口頭よりもわかりやすい商品説明ができます。
また、普段は通り過ぎてしまうコーナーでも、デジタルサイネージでプロモーション映像が流れていれば、足を止めてもらいやすくなります。
4. 公共施設
市役所や区役所をはじめとする公共施設でも、デジタルサイネージの導入は進んでいます。受付のインフォメーションや、順番待ちの呼び出し表示などに活用されています。
飲酒運転やオレオレ詐欺、防災情報などの注意喚起も、ポスターより映像のほうが目を引くため情報を伝えるのに効果的です。地域で開催されるイベントなどもアピールできます。
5. 病院
病院やクリニックなどでも、デジタルサイネージが増えてきました。順番待ちの呼び出し表示のほか、定期検診や病気予防、健康習慣などの情報も提供できます。
ポスターは自分から積極的に見にいく必要がありますが、デジタルサイネージならば受け身でも情報が得られるため、体力が落ちている人にも情報が伝わりやすいです。
また、デジタルサイネージで美しい環境映像などを流すことにより、緊張しがちな待合室をリラックスした雰囲気にできます。
6. 学校
学校では、掲示板のかわりにデジタルサイネージが導入されています。学校の掲示板は、びっしりとポスターや貼り紙で埋め尽くされているイメージがありますが、デジタルサイネージを導入することによりスッキリとした掲示板になります。イベントやセミナー、学食メニューなどの告知にも効果的です。
7. ホテル
ホテルでも、インフォメーションとして活躍するデジタルサイネージが増えてきました。フロアガイドや施設案内、キャンペーンなどのほか、周辺の観光スポットや飲食店、コンビニなどの情報も提供できます。
また、タッチパネル式のデジタルサイネージは多言語に対応できるため、外国人観光客へのサービス向上にもつながります。
8. 工場
工場や倉庫などにも、デジタルサイネージは進出しています。作業を安全に進めるための注意喚起は、ポスターよりも映像をリピートしたほうが効果的です。生産目標や生産状況、スケジュールなどをリアルタイムで共有することにより、生産性を上げる効果も期待できます。
また、ゲストへの工場案内時にデジタルサイネージがあれば、より説明がわかりやすくなり満足度も高まるでしょう。
9. オフィス
デジタルサイネージは、オフィスでも活用されています。ビジョンや事業計画、売上状況、社内ニュース、イベントの告知など、情報共有のツールとして使われています。これらの情報はメールでも伝えられますが、デジタルサイネージは複数人で同時に見ることにより社員同士の会話を弾ませるのが特徴です。
10. イベント
音楽ライブやeスポーツ、展示会などの各種イベントにも、デジタルサイネージはよく使われています。大型LEDビジョンの明るい鮮明な映像は、遠くにいる観客もステージ上の様子を楽しめるためイベントが盛り上がります。展示会でも目立つので集客効果があるほか、ブースの空間演出にも効果的です。省スペースで情報を伝えられるため、狭いブースでも空間を有効活用できます。
デジタルサイネージの仕組み
デジタルサイネージは、以下の2点に大きくわけられます。
- スタンドアロン型
- ネットワーク型
それぞれ仕組みを見ていきましょう。
1. スタンドアロン型
スタンドアロン型は、ネットワークに繋がっていないデジタルサイネージです。「オフライン型」とも呼ばれます。
動画や静止画を保存したUSBメモリーやSDカードを、デジタルサイネージの本体に直接差し込んでコンテンツを流します。シンプルな仕組みなので、メカやITに弱い人でも使いやすいです。導入コストやランニングコストも比較的安く抑えられます。
また、オフラインで運用するため、ハッキングされるなどのセキュリティリスクもありません。通信不良などもないため、安定した表示ができます。
ただし、スタンドアロン型は、ディスプレイごとにUSBメモリーなどを差し込んで運用するため、ディスプレイが多数あると面倒です。時間帯や曜日ごとにコンテンツを切り替えたいときも、その都度ディスプレイにUSBメモリーを差し込んで更新しなければいけません。
ディスプレイの数が少なく、更新頻度も少ない場合は、コストが抑えられるスタンドアロン型がおすすめです。
2. ネットワーク型
ネットワーク型は、その名の通りネットワークに繋がっているデジタルサイネージです。さらにネットワーク型は、自社サーバーで運用する「オンプレミス型」と、社外のクラウドサーバーで運用する「クラウド型」にわけられます。
複数のディスプレイがネットワークで繋がっているため、リモートでコンテンツの一括変更ができます。予約配信もできるため、時間帯や曜日によるコンテンツの切り替えもしやすいです。
複数の拠点にデジタルサイネージが設置されていても、ネットワーク型ならば一人で配信管理ができます。各拠点に配信担当者を置く必要がないため、現場の負担も減らせるでしょう。ただし、導入コストやランニングコストは、スタンドアロン型に比べて高くなります。
また、導入の際は運用方法を学ばなくてはいけません。とくにオンプレミス型は自社でサーバーを管理するため、専門知識を必要とします。ITの取り扱いに慣れていない人は、クラウド型のほうが導入しやすいでしょう。
デジタルサイネージに必要な機器
デジタルサイネージに必要な機器を、以下の3点にわけて解説します。
- ディスプレイ
- STB(セットトップボックス)
- CMS(コンテンツマネジメントシステム)
それぞれ見ていきましょう。
1. ディスプレイ
スタンドアロン型もネットワーク型も、すべてのデジタルサイネージはディスプレイが必要です。さまざまなスペックの製品が用意されており、ニーズや予算に応じて適切なサイズや解像度、輝度の製品を選ぶ必要があります。屋外に設置する場合は、防水・防塵でないといけません。
また横型や縦型、壁掛け型、埋め込み型、天吊り型、スタンド型、イーゼル型、透過型、キューブ型、床型、天井型、タッチパネル型など、さまざまなタイプがあります。
2. STB(セットトップボックス)
STB(セットトップボックス)は、ディスプレイにコンテンツを表示させるための機器です。
スタンドアロン型のデジタルサイネージは、本体に直接USBメモリーやSDカードを差し込んでコンテンツを表示させるため、基本的にSTBは不要です。ただし、製品によってはSTBを使用するスタンドアロン型もあります。
STBはネットワークに接続できるため、サーバーからコンテンツを受信してディスプレイに表示します。ただ表示させるだけでなく、配信スケジュールに沿って表示したり、画面のレイアウトを変更したり、ディスプレイの電源をオン・オフしたりすることも可能です。
3. CMS(コンテンツマネジメントシステム)
CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、ネットワーク型のデジタルサイネージに必須のシステムです。ネットワークに繋がったSTBを管理して、コンテンツの映像を一括または個別に配信できます。配信の順番やスケジュールなども設定可能です。
また、CMSを使えば自社コンテンツだけでなく、他社コンテンツも組み込めます。ニュースや天気予報、株価、為替などの有益なリアルタイム情報を同時に流すことで、自社コンテンツも一緒に見てもらえる可能性が高まります。
デジタルサイネージ導入の流れ
デジタルサイネージ導入の流れを、以下の5点にわけて解説します。
- ヒアリング
- システム設計およびコンテンツ制作
- 設置工事およびセットアップ
- トレーニングおよび運用
- メンテナンスおよびサポート
それぞれ見ていきましょう。
1. ヒアリング
デジタルサイネージの導入は、専門業者にサポートしてもらったほうがスムーズに進みます。どのような目的で導入するのか、予算はどのくらいかなどの要望を業者に伝えます。ショールームがある業者だと、より導入のイメージがつきやすいでしょう。
2. システム設計およびコンテンツ制作
ヒアリングした要望に応じて、業者が最適な機器やネットワークなどのシステムを設計します。設置場所のクリアランスや温度、反射、直射日光、結露、粉塵なども総合的に判断しなければいけません。
また、コンテンツ制作もサポートする業者であれば、同時にコンテンツ制作も進めます。
3. 設置工事およびセットアップ
システム設計が確定して機器の準備ができれば、次は実際の設置工事とセットアップに入ります。経験豊富な業者を選ぶと安全で安心です。なるべく通常業務に影響が出ない施工方法をお願いすると良いでしょう。
4. トレーニングおよび運用開始
設置工事とセットアップが済んだならば、デジタルサイネージの運用方法をトレーニングします。CMSの操作方法などをマスターできたら運用開始です。
5. メンテナンスおよびサポート
デジタルサイネージは、定期的にメンテナンスすると故障のリスクを減らせます。また、不明な点やトラブルが発生したときにサポートしてもらえる業者だと、万が一のときに心強いです。
まとめ
デジタルサイネージについて、概要や市場規模、メリット、注意点、活用目的、事例、仕組み、導入の流れを解説しました。
デジタルサイネージは紙媒体に比べてメリットが多いため、広告配信や集客、販売促進、インフォメーション、空間演出など、さまざまな目的で活用されています。市場規模は右肩上がりで拡大しており、今後もデジタルサイネージはますます普及していく見込みです。
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